G・A・K・K・O・U 怖い話
学校にまつわる怖い話は、とても数多く報告されています。その中でも、幽霊が出ると言われるのは、小学校が多いようです。
なぜ、小学校に多いのか?というと、当時は、土地が少ないために、墓地を移動して、そこに小学校を建てるということが当たり前に行われていました。
小学校が建てられる以前は、もともと墓地だったことから、そこに遺骨が埋められている可能性もあります。
幽霊がいてもおかしくないのです。
何百年という歴史を持つ小学校のほとんどは、そのような土地に建てられています。歴史が古いほど、その信憑性は高まるわけです。
あなたの通っていた学校で、霊体験をしたことはありませんでしたか?
--学校-- KOWAI KOWAI*
ここは、通っていた小学校の校舎図です。当時すでに、開校108年という古い学校です。
小学校は、校舎と校舎が、渡り廊下でつながっています。床はコンクリートで、その上にすのこがのせられています。このような渡り廊下は、全部で、4箇所ほどあります。
1番古い校舎が旧校舎と呼ばれ、2年生の教室になっています。1階の平屋の教室で、石炭ストーブを使っていたほど古い校舎です。
次に古い校舎が、3・4年生の教室。2階建ての校舎で、普通の石油ストーブだったと思います。ここには、職員室や保健室もあります。
そして、1番新しいのが新校舎と呼ばれている1・5・6年生の教室です。ここも2階建ての教室です。ここは、壁置きの昔の循環式のヒーター。トイレも新しいし、教室も1番暖かい校舎で、手前には、給食室もありました。
このほかには、旧校舎よりも古いとされる体育館があります。壁の隙間から雪が入りこむことも。他にも離れに、理科室や音楽室も。こちらは、3・4年の校舎の後に増設したようです。
実際には、このように校庭を囲むように、校舎が渡り廊下でつながっている形になっています。
この体育館から、3・4年の校舎までの裏側が、裏庭になっています。
小学校では、怖い話はつきもの。うちの学校でも「トイレの花子さん」の噂や、音楽室の絵が動き出すという噂もたえませんでした。
それは、小学校の4年生くらいの頃のお話です。
うちの学校の校舎の裏側には、列車の線路があり、すぐ近くには、踏み切りもあります。その線路と校舎の間は、裏庭になっており、それぞれの学年の畑があり、花や作物が育てられ、グミの木やオンコの木、クリやクルミの木、そして木いちごの木もありました。木と木の間には、廃タイヤで作られた遊具もありました。
校庭にも遊具はあったのですが、いつも人がいっぱいだったので、裏庭で遊ぶことが多かったんです。
そんなある日の事です。
今日は学校の授業も終わって、1番のりで裏庭に到着しました。裏庭で、木いちごを取っていると、学年は違うけれど、仲のいい友達のみっちゃんがやってきました。2人でおしゃべりをしながら、木いちごを食べたり、遊んだりして、夕方「また明日遊ぼうね」と約束をし、家路につきました。
そして、次の日も同じよう裏庭で待っていると、みっちゃんがやってきました。でも、今日のみっちゃんは、なぜかあまり元気がない様子。
「風邪でもひいた?元気ないよ?」
と私が言うと
「ううん。なんでもないよ。」
とみっちゃん。
「でも、今日は早く帰ったほうがいいかもねー」
と私が言うと
「約束してたから・・・」と。
それほど長い時間は遊ばなかったけれど、いつものように
「また明日ねー」
と帰っていきました。
それから、数日、同じようなことは続きました。
あいかわらず、彼女の体調は、よくならないまま。どんなに
「いいよ?明日じゃなくても。元気になったら遊ぼう!」
といっても彼女は、
「また明日ね」
と言って帰っていきました。
それから、5日が経ったでしょうか?
クラスの友達のけいちゃんに、帰りに呼び止められました。
「ねぇ、そんなに急いでどこに行ってるの?」
と。
「学校の裏庭にいるよ?」
「裏庭?」
「うん。じゃあ、私急いでるから、行くね」
「待って、私もあとで行くから」
「じゃあ、待ってるね」
それから、裏庭に行くと、今日はまだ誰もいません。でも、しばらくすると、みっちゃんが現れ、お花を摘んだり、四葉のクローバーを探したりして時間が過ぎていきました。そして、夕方になり、
「また明日ねー」
というと、帰っていったのでした。
でも、帰ってから思ったのは、クラスの友達のけいちゃんの言葉。そういえば、あとで行くって言ってたけど、みっちゃんといる間、裏庭は、誰も来なかったような気がするな。結局、来なかったのかもしれないな。
そんな次の日のことです。
「ねえ!昨日、裏庭にいるって言わなかった?」
とけいちゃんが言います。
「裏庭にいたよ?」
「昨日、私裏庭に行ったけど、誰もいなかったのよ?」
「でも、私達、ずっと裏庭でお花摘んだりしてたよ?」
「私達? 他に誰かいたの?」
「うん、3年生のみっちゃんと一緒にいたよ」
「みっちゃんって・・・」
「ずっと、2人で、けいちゃんのこと待ってたんだけど?」
「ねぇ・・・今までずっと・・・・」
「なにが?」
「ずっと・・・・2人で遊んでたの?」
「うん」
「それって・・・いつから?」
「14日からかな?」
それから、けいちゃんは、黙ってしまいました。それから、私の手を引っ張って、3年生のクラスへとどんどん歩いていきます。
「けいちゃん!どこ行くの?」
「みっちゃんの教室よ」
「みっちゃんの?」
それから、みっちゃんのクラスのドアをガラガラとあけると、そのクラスの担任の先生に
「先生、みっちゃんの話聞いてもいいですか?」
先生は、重い口調で話し始めました。
「みっちゃん、今ね・・・入院してるのよ。」
「入院??」
「13日の夕方に、そこの踏み切りで・・・。意識不明の重体。」
「みっちゃん、今は??」
「ずっと、病院で眠ってるの。」
「そんな・・・だって、みっちゃんは、裏庭に!」
「裏庭に?」
「ずっと、私とみっちゃんは裏庭で遊んでたんだよ?」
「そんなこと、あるわけないじゃない?今、病院にいるのよ?みっちゃんは!」
「でも!」
キーン コーン カーン コーン
学校のチャイムが鳴りはじめる。
「ほら、あなた達、教室に戻りなさい」
私は結局、心が晴れないまま、帰りにあの裏庭に行けば、何かがわかるような気がして、そのまま授業が終わるのを待った。
そして、放課後、裏庭に。
すると、みっちゃんがやってきた。入院しているはずのみっちゃん。なぜ?ここにいるのか?
「みっちゃん。入院してるって本当?」
「入院?何、言ってるの?私なんともないよ!ほら!」
「先生が言ってた。みっちゃんは、そこの踏み切りで・・・」
「ふ み き り・・・?」
そう言うと、彼女は、怯えはじめた。
今まで忘れていた何かを思い出し、悲鳴をあげた。
「イヤー!!!!!!!」
「ねぇ?みっちゃん!大丈夫?」
「・・・・」
「みっちゃん!帰ったほうがいいよ?」
「・・う・・ん・・」
みっちゃんは、校舎の影に曲がったと思うと、すでに、そこには姿はなかった。
それからは、裏庭でみっちゃんの姿は見なくなった。
先生の話によると、意識が戻って回復に向かっているようだった。それから、約3ヶ月後、みっちゃんは元気に学校に来るようになった。
みっちゃんは、あの時、裏庭であったことをまったく覚えていない。あれは夢だったのでしょうか?