++女++ O・N・N・A 怖い話
私たちは3人で、いつもよりも少し遠くへ夜のドライブに来ていた。
たまには、海岸線を飛ばしてみようかということになった。
このときは、もともと男2人で行く予定だったらしいのだが、
ヒマな私も連れて行ってもらえることになったのだ。
この時期・・・私は・・・仕事もしないで昼夜の逆転生活をしていた頃だ。
山道を入り・・・住んでいる町の裏側にある海岸線の通りへと車を走らせる。
いつもは、街をうろついたり、湖畔に行ったりするのだが・・・
今回は久しぶりの海で、私は興奮していた。
そして・・・・海岸線に出た。
月夜の下で・・・黒い波が砂浜に押し寄せている。
車の窓を開けると潮の香りがする。
心地よい風に吹かれながら・・・ゆるやかなカーブを走っていく。
私は、運転席の後ろに座っていた。風を受けながら・・・・フッと・・・・運転席を見る。
「あ・・・・・・」
「ん?どうかしたか?」
「あのね・・・これから先の運転に気をつけてくれる?」
「うん。なんか、あったのか?」
「女の人が・・・見えた」
「どこに?」
「ハンドルの横のパネルに・・・・女の人が・・・・」
「わかった・・・気をつけるよ」
私には・・・・友達の握っているハンドルの横のパネルに、女の人が映ったのが見えた。
不思議なことに・・・・怖いとは、感じなかった。
私が、見えないものを見るときは・・・何かが起こる暗示。
彼らもそれを知っていた。
だから・・・・驚くこともなく・・・・ただ私の言葉を聞き入れる。
髪の長い女の人。赤い衣装を身につけていた。
女の人というよりも・・・人形にちかいかもしれない。
ただ・・・こちらを見つめているだけだった。
しかし、その女の人は、すぐに消えた。
こんな時の私は、みょうにカンが冴える。
「嫌な予感」がする・・・・。
だから・・・彼らに、話した。
それからは、船のある港によって休憩したり、のんびりと海岸線のドライブを楽しんでいた。
「今日のお前の予感は・・・はずれかもな」
「何も起こらないし」
「いや・・・・でも、きっと何かあるから、気をつけて」
「わかってるよ」
「じゃあ、そろそろ帰ることにするか」
「そんな風に言われたら、楽しむものも楽しめないしな」
「ごめん」
「いいって」
「何か、あってからじゃ遅いしな」
「そうだな」
「うん」
あの女の人を見てから、何時間が経ったのだろうか・・・だんだん・・・そのことを忘れかけていた。
帰り道は・・・みょうに2人とも、口数が減っている。
そして・・・・それからすぐ・・・・・また! あの女の人が現れたのだ!!
「ねぇ・・・また・・・また出たの!」
キキーッ・・・・・・・・・・
車のブレーキ音だ・・・・・。
「そこに・・・・・女の人が・・・・立ってたよな?」
「え・・・・・」
「俺・・・その人よけようとして・・・・・」
「私が、見たのは車の中でだよ」
「じゃあ・・・俺が見たのは?」
あたりを見回すと・・・・そこには、何も見えなかった。
ただ・・・あったのは・・・・・私たちの乗っているブレーキのあと・・・・・。
そして・・・ちょうど、よけるように・・・・海に落ちる岸壁が・・・そこにはあった。
ガードレールが・・・ちょうど切れていて・・・・そのまま、それをよけていなかったら・・・・・
海に・・・まっさかさまに・・・・落ちていた。
「あぶなかった・・・・・」
「実は・・・・俺・・・・眠っていた」
「え・・・・・・」
「お前に、起こされなかったら・・・・きっと・・・・この下に・・・・」
「だから、慌ててブレーキ踏んだのか?」
「いや・・・・目を開けたら、そこに赤い服を着た女の人が立っていて、
ヤバイと思ってハンドルを切って・・・ブレーキ踏んだんだ」
「・・・・でも・・・・よかったね。落ちなくて」
「そうだな」
「あの人が、現れなかったら・・・・私たち・・・・死んでいたのかもしれないね」
「やっぱり・・・・お前のカンは・・・怖いよ」
「これからは・・・気をつけようね」
「そうだな」
あの人は・・・私たちに、警告を発していたのだ。
あの女の人が・・・いなければ・・・きっと、私たちは、ここにはいなかったと思う。
あれは・・・・・私の守護霊なのかな。
ここで亡くなった人ならば・・・きっと・・・・間違いなく・・・・死に導かれていたのではないだろうか?