K・O・U・J・O・U  怖い話

 各地にたくさんある工場工場の種類も様々です。大きな工場もあれば、小さな工場まで、色々な工場がありますよね。現在は、不景気の影響で、たくさんの工場が閉鎖されています。
工場は、基本的には、大量のものを生産するための場所。大きな工場になればなるほど、たくさんの人が雇われることになります。人を雇うのは容易な事ではなく、非常に大変なことです。色々な人の意見が飛び交います。それに対し、納得する人もいれば、納得しない人もいる。結局、理解できず、わだかまりを残したまま、職場をやめていく人も多い。

 だからこそ、工場には、怒りや憎しみなどで、その場に留まる霊が多いのです。他にも、工場で過酷な労働を強いられて、病気になってしまう人なども。こんなことを言うと工場では働きたくないなと思うかもしれないのですが、これはある一部であって、すべての工場が当てはまるわけではありませんので、ご理解いただきたいと思います。

--工場--  KOWAI KOWAI*

 

 ある小さな工場のお話です。この工場では、よく出ると噂もある工場でした。

まだまだ 働き始めた頃は、そんなことも知らず、ただただ、一生懸命に働くということを繰り返していたように感じます。それから、働き始めて、半年も経つ頃、こんな話を聞いたのです。

「○○さんて、周りが見えないものでも 見えたって 言うから、怖いんだよね」
「何が見えるんです?」
「足のない黒い影・・・」
「足がない? 黒い影??」
「そう。」
「それって、あれですか? 霊が出るってことですか?」
「そうそう、そういうことよ」

彼女の話によると、仕事をしていると ちょうど工場の玄関にあたるところが見えるんだが、その玄関に、黒い人影を見たという。
その人影も奥にある事務所のドアを開けて中に入っていったと。しかし、そんな人影は、ダレも見ていない。
でも、彼女は、「間違いないから!今誰か入ってきたって!」と、玄関のほうへ走って行き事務所内を確認してみた。しかし、そこには、そんな人影はない。それどころか、誰もいなかったのだ。彼女は、納得がいかないまま、「黒い人影があったんだって!」「そういえば・・・足がなかったかも」と。

でも、そんな話をするのは、彼女だけではない。

ある日の事、たまたまいつもとは違う場所で仕事をしていたのだが・・・別のパートさんが、変なことを言い出したことがあった。
「社長来てるねー」
「社長ですか?」
「今の社長じゃないよ?先代の社長ね」
「先代??」
「もう なくなってるんだけど・・・」
「え???」
「ほら、そこで 見てるっしょ」

彼女は、もともと霊感体質というやつで、普通に見えてしまうらしい。さらに、彼女は、言葉までもわかってしまう。
「社長 また怒ってるねー」
「怒ってるんですか??」
「また、○○さん 1人に 仕事押し付けて〜って」
その方は、社長のお気に入りらしく、気になってよく出てくるそうだ。
先代の社長がいた時代から、働いているパートさんは、とても多く、その長年働いてきている方々を見守ってるというのだ。
さらに・・・「いつもね、この洗い場の右の壁際にいるんだよねー」と。まったく見えないものにとっては、わからないことなんだけど、そこだけが、いつも冷たい空気が流れていることは知っていた。その理由がわかって、背筋が ざわざわしたのは 気のせいじゃない。

それから 1年くらいが経っただろうか?とうとう、自分もそんな経験をしてしまった。

その日は、いつもと同じように、仕事をしていた。工場内は、普段から、騒がしいのに、その日は、意外にも静かな1日だった。そして、ふと、自分の後ろ側に人がいる気配がした。
  振り返ってみると、社長かと。また 仕事に戻った。

それから 1時間も過ぎただろうか?
「さっき社長来てなかった?」と他のパートに聞いてみると・・・
「今日は来ていないよ?」との答え。
「つい、さっき、振り返ったら 社長だなと思ってて・・・それって、誰だったの???」
「今日は まだ誰も来ていないし、あなたの後ろ側に 立ってた人物なんていないて!」

そう・・・振り返った時見たのは、社長なんかじゃなく、何か別のものであったようだ。
白い制服を着ていないといけない職場の中に、黒っぽい服で 工場内をグルグル見回るのは、社長しかいないと思ってたわけで。 あれは・・・ただの黒い影だったのかもしれない。足があったのか?と聞かれると、それは、わからない。そこまでしっかり確認はしていないからだ。
工場のど真ん中で、ジーッと見つめる視線、気配は・・・その黒い影のものだったのか?

 実は、その後は よく見ている。
いつも同じ場所に立っている黒い影は、何かの気配を感じるとそこにたいていいることが多い。
まったく、悪いことはしてこないし、しいていえば、良い霊なのだが、たまに いたずらされることも多い。
あったはずのものが、なくなっていたり、なぜ?こんなところに?と物が移動していたり、たまには、仕事を手伝ってくれたりすることもあるけれど、なんというか、自己主張の強い霊である。

よく、工場には出るんだよ!って 言う人がいるけど、
最近は、「悪い霊じゃないから 大丈夫!」なんて 言える自分がいる。

でも、うちみたいな 小さな工場じゃなく、もっともっと 大きな工場なんかでは、大きな機械に、身体を持っていかれたり、手や足のひとつがなくなることなんて、しょっちゅうだと聞いた事がある。
同じ作業の繰り返しだけど、ひとつ誤ると大きなケガになる。
どんな作業だって、真剣にやらなければならないのだ。
それによって、命を落とすことにならないように、気をつけてください。




肩が重い

 嫌な気配が感じるなーと思うとすぐに、肩が重くなることがある。そういう気配を感じることができるのか?感じないのか?わかってしまうのでしょうかね。あ・・・と思った時には、すでに後ろにいるようです。

嫌だなーって思うと、なかなか離れてくれないもので、気にしないほうが、スッといなくなってたりします。あとは、解決してあげられれば、それが1番いいとは思うのですが、言葉が通じないこともあって、そうそう、うまくはいかないものです。

言葉というか、気持ちを読み取るってことなんですけどね。肩が重ければ重いほどに、やはり、思念が強いようです。だから、必然的に、聞かないといけない。といっても、あくまでも心の中での問答なんで、外からは 気づかれていませんけどね。

肩が重いなと感じる時・・・年のせいでなければ・・・ 霊がいる可能性が潜んでいるのかも?