K・U・M・O 怖い話
蜘蛛は、どちらかというと嫌われる存在です。しかし、蜘蛛は、人間に害を与えるどころか、逆に人間に害を与える生き物を食べてくれるのです。蜘蛛には、毒があります。しかし、在来種では、人間に大きなダメージを与えられるほどの毒は持ってはいません。外来種でも有名な「タランチュラ」などの大型種の毒蜘蛛の毒には、「アナフィラキシーショック」を起こすことがありますので、注意が必要です。
そんな蜘蛛が生活の一部としている、蜘蛛の糸は、鉄の糸の4倍以上の強さがあり、ナイロンの2倍以上のしなやかさがあります。その蜘蛛の糸で、蜘蛛の巣を作り、獲物を捕獲しています。蜘蛛は、肉食系であり、蜘蛛の巣にかかった獲物は、何でも食すると言われています。
蜘蛛は、インドシナ半島、ミャンマーから中国南部の地域では、食用としているようです。私達には、まったく考えられないことですが、もし、食べるものがなくなった時には、蜘蛛を食べなければならない日もあるかもしれません。
そして、蜘蛛に関連することなのですが、現在は「クモ恐怖症(アラクノフォビア)」という症状を起こす人がいます。単純に言えば、蜘蛛に対する恐怖感なのですが、そのクモ恐怖症の方の異常行動は、普通では考えられないようなことを起こすことが多いようです。あなたの周りに、クモを見ただけで、悲鳴をあげる人はいませんでしたか?
--蜘蛛-- KOWAI KOWAI*
まだ、小学生だった頃、自宅の周りには、たくさんの蜘蛛がいました。長足蜘蛛が多く生息していたのですが、その長足蜘蛛の足を1本ずつ引きちぎって、足がなくなっても生きていられるのか?何本まで足があれば歩くことができるのか?といったような、残酷なことをして、よく遊んでいたことがあります。その頃は、蜘蛛なんて、まったく怖いなんて思っていなかったんです。
それから、中学生になり、朝刊の配達をしていると、毎日のように蜘蛛の巣に引っかかっていました。そのうち、いつも蜘蛛の巣がはられているところは、新聞を丸めて、蜘蛛の巣を壊してから、通過するようになりました。
それから数年は、蜘蛛と関わるようなことがありませんでした。
その代わり・・・蜘蛛ではなく、霊とかかわるように。
蜘蛛と霊とは、密接な関係があるようで、家の中の天井に住み着いている蜘蛛は、悪霊を連れているとか言われるそうです。そのため、蜘蛛を駆除しようとすると、悪霊だけが その場にとどまってしまうと。蜘蛛を駆除することは、蜘蛛についている悪霊を自宅に住まわせるということになってしまうので、蜘蛛は駆除しないで、逃がしてあげるほうがいいと。
では、ある人から、聞いた話を。
それは、彼女が、子供の頃の話になります。
ある時、家の中で、大きな蜘蛛を見つけたのです。
その蜘蛛は、お尻だけが異様に大きい毒蜘蛛みたいな蜘蛛でした。
当時の彼女は蜘蛛なんて怖いと思わなかったこともあり、棒でつついたり、ひっくり返したりと遊んでいたそうなんです。
さらに、思いついた彼女は、火鋏(ひばさみ)を使って蜘蛛をつまみあげます。
そのつまみあげた蜘蛛を・・・燃え盛る薪ストーブの火の中へと・・・・。
すると・・・
その蜘蛛から
「キィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
という悲鳴のような音がしたのです。
彼女は、その音に青ざめて、その火鋏から手を離しました。
つまんでいた蜘蛛は、跡形もなくなっていました。
彼女はそれから、蜘蛛が苦手で、どんな小さい蜘蛛であっても見るだけで悲鳴をあげてしまいます。
今思えば、それが「クモ恐怖症」の始まりだったのかもしれません。
そして、不思議なことに、
彼女が、普通の人には、見えないもの『霊』を見るようになったのもその頃だとか。
そんな彼女は、会社内でいろいろなものを見ます。
その中で、よく見るというのが、先代の社長の霊。
彼女が言うには、その社長の霊が、何を言いたいのかも、表情もわかるようです。
私自身は、まだ、何かの気配があるというくらいにしか感じないのですが、彼女は、はっきりと見えるそうです。
でも、実際、今の会社内には、最低でも3人の霊がいるとのこと。
そして、私自身も蜘蛛に遭遇しない分、霊に遭遇することが増えました。
それは、蜘蛛のせいなのか?と言ったら、はっきりとは、わかりません。
でも、誰もがそういった経験をしているのではないでしょうか?
さて、こうやって書いている間にも、手や身体に蜘蛛の糸がからまっているような感覚に襲われます。
あの蜘蛛の巣の独特の感触は、思い出すだけでも身体がかゆくなったりします。
最近、蜘蛛を駆除したりしませんでしたか?
あなたの部屋には、蜘蛛の巣がはっていませんか?
思い当たることがあるのなら・・・もうすぐ、見えてくるはずです。
見えてしまっては、いけないものが・・・。